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最新記事【2008年09月02日】


扁桃炎(へんとうえん)や、咽頭炎(いんとうえん)、あるいは喉頭炎(こうとうえん)にかかってから、2~3週間後に、急性リウマチ熱という全身性の炎症があらわれることがあります。心臓リウマチというのは、このリウマチ熱の障害が心臓におよんだものです。日本では、心臓リウマチは、最近、非常に少なくなりましたが、それでもまだ急性リウマチ熱の半数以上を占めています。

心臓リウマチの発病年齢は、リウマチ熱と同じで、小学校年齢に多く、5歳前後から15歳くらいまでがほとんどです。原因は、溶連菌ですが、この菌に感染しても全員が心臓リウマチを起こすわけではありません。子どもの70パーセント近くは溶連菌に感染するといわれますが、そのうち心臓リウマチを発症するのはごく一部にすぎません。

心臓に関する症状
症状は、発熱と、脈が速くなり、心臓に痛みや動悸が起こります。倦怠感が強まり、食欲がなくなります。腹痛や吐き気がみられることもあり、症状が悪化すると心臓への圧迫感や呼吸困難がみられます。
心臓の症状だけのときは、風邪がぶり返したのではないか、と考えられてしまうことが多く、かえって心臓以外にも症状を伴う場合よりも注意が必要です。
心臓以外の症状
症状は心臓以外にもおよび、ひじやひざの関節の腫れや痛みを伴うこともあります。また、 皮膚に痛みのない灰色のしこりや、赤い輪状の斑点があらわれることもあります。さらに、脳が犯され、ひとりでに手足が動いてまるで踊っているかのようにみえる「舞踏病(ぶとうびょう)」を発症することもあります。


さまざまな心臓病のために心臓の収縮能力が弱まり、身体の臓器や組織に必要なだけの十分な血液を送りだすことができなくなった状態を心不全といいます。心不全になると、全身の臓器へ血液が十分にいきわたらなくなり、肺や身体の静脈に血液がうっ滞するようになります。これが「うっ血性心不全」です。
心不全の経過と予後は、その重症度によって異なります。

ニューヨーク心臓協会は、心不全の重症度を次のように分類しています(NYHA分類)。

ニューヨーク心臓協会の心不全の重症度分類(NYHA分類)
1度
心疾患があるが、身体活動が制限されることのない患者。ふつう身体活動ではとくに疲労、動悸、呼吸困難あるいは狭心痛をきたさない。

2度
心疾患があり、身体活動が制限される患者。安静時は無症状だが、ふつうの身体活動で疲労、動悸、呼吸困難または狭心痛をきたす。

3度
心疾患があり、身体活動が高度に制限される患者。安静時は無症状だが、ふつう以下の身体活動で疲労、動悸、呼吸困難または狭心痛をきたす。

4度
心疾患があり、非常に軽度の身体活動でも愁訴をきたす患者。安静時でも心不全あるいは狭心症症状を示すことがある。少しの身体活動でも愁訴が増強する。

*心不全と診断された場合でも、NYHAの分類で、1度または2度程度ならば、ほとんどの症例で経過と予後は良好です。一方、3度やさらに4度にまでいたるような重度の心不全の場合、予後は悪くなります。入退院を繰り返し、死に至るケースも少なくありません。


心臓病のなかでも最近特に注目されているのは、「虚血性心疾患」です。虚血性心疾患とは、狭心症と心筋梗塞をまとめた言い方です。
狭心症の症状の主な特徴は「胸痛」です。したがって、狭心症の治療は、1.胸痛が起こったときにそれを抑えるための治療、と2.胸痛が起こらないように予防する治療にわかれます。

胸痛が起こったときにそれを抑えるための治療

1.運動は激しい動作をしていて胸痛が起こったという場合は、ただちにそれらの動作を中止します。気分を楽にして安静にし、深呼吸をします。これだけで痛みがおさまることもあります。
2.狭心症の胸痛を抑えるための薬「ニトログリセリン舌下錠」を処方されている場合は、常に携帯します。胸痛が起こったら、まず1錠を舌の下におきます。それで3分待ち、胸痛が消えない場合は、もう1錠、口に含みます。それでもまだ痛みがおさまらないときは、もう1錠(合計3錠)、同様にためします。
3.3錠試してみて、痛みが消えない場合は、狭心症以外の病気が疑われます(心筋梗塞のなかには、狭心症から発展してなる場合があり、そのような場合、ニトログリセリンは効きません)。ただちに救急車を呼び、救急病院へ行く必要があります。
*ニトログリセリンを使用するときの注意点
1.立ちくらみに注意
ニトログリセリンは、狭心症による胸痛の特効薬ですが、血圧をさげる効果もあることから、ニトログリセリンを服用して立ったままでいると立ちくらみを起こす危険があります。戸外にいるときや、高齢の方は、特に注意が必要です。
2.保存に注意
ニトログリセリンは、一錠ずつパックしてあるものなら少なくとも3年間は有効です。しかしビン入りの場合、しっかりとふたをしておかないとその効力が失われます。


虚血性心疾患になりやすい人、つまり危険因子をたくさんもっていると思われる人は次の方です。
1.男性である。
2.高血圧症の患者である。
3.コレステロールが高い。
4.心電図に異常がある。
5.喫煙者。
6.糖尿病の患者である。
7.肥満である。
8.運動不足である。

これらの項目にあてはまる、またはあてはまる数が多い人は、少しでもそのリスクを下げるための生活改善をおこなう必要があります。
まずは、高脂血症や高血圧、糖尿病などの、症状を改善するための食事のコントロールが必要です。脂肪分の多い食事や塩分の多い食事、バランスの悪い食事はあらためます。栄養士による食事指導を受けることをお勧めします。
肥満解消のために運動不足を改めることも必要です。
軽い運動を毎日、あるいは1日おきに定期的に続けることが大切です。これといって特に力まなくても、短い距離なら乗り物に乗らずに歩く、外出先ではエレベータに乗らない、時間のあるときにはたとえ少しずつでも散歩をするようにする、などでも結構ですので、少しずつ、軽いものから運動を生活に取り入れるようにしましょう。
ただし、運動は医師の許可を得て、また内容についても相談しながら決めていきましょう。
気温が低いときにいきなり動き始めるのはよくありません。十分に準備運動をして身体を温めてからゆっくりとはじめるようにします。

喫煙は、問題外です!ただちにやめましょう。また、刺激の強いもの、カフェインが多いものなど(コーヒー、など)も控えます。


心臓病が疑われる場合、まずは一般的な診察、検査(病歴、現在の症状、などを聞く、聴診器の身体的な所見、血液、尿の検査所見、胸部X線検査)がおこなわれ、そのほかに必要に応じて、心臓病の専門の検査がおこなわれます。
心電図、運動負荷試験、ホルター心電図、心エコー図、心臓カテーテル検査、心音図、心臓核医学検査、など。
心臓病の基本的な検査としては、まず心電図があげられます。しかし、心電図だけでは、とらえきれない小さな発作や、安静にしているときに出る狭心症発作をとらえきれないことがあります。そのため、患者さんに運動をおこなってもらって検査する「運動負荷試験」や、24時間携帯型の装置をつけて記録する「ホルター心電図」を行います。そのほか、心エコー図という検査がおこなわれることもあります。

心臓病の専門の検査には、心電図、運動負荷試験、ホルター心電図、心エコー図、心臓カテーテル検査、心音図、心臓核医学検査、などがあります。基本は、「心電図」ですが、それではとらえきれない小さな発作や安静時の狭心症など、を調べるためにほかの検査をおこない、総合的に判断します。患者さんの負担がかからないのは、心電図や心エコー図で、心臓カテーテル検査などは、患者さんへの負担が大きいため、最終的な検査となります。

心音図
心音図とは、聴診器で聞こえる音をグラフに描いたようなものと考えることができます。心臓の拡張や収縮にともなって弁が開閉するときの心音はもちろん、弁膜症や先天性心疾患などの異常な音を詳しく調べることができる検査です。

心臓カテーテル検査
弁膜疾や先天性心疾患、および心臓にかかわるすべての疾患に応用される検査です。
冠動脈の狭窄や閉塞のある場所も詳しく調べることのできる検査ですが、身体の表面から中の様子を探ることができる心電図や心エコー検査とくらべ、患者さんの負担が大きくなります。そのため、心電図やエコー検査、ホルター心電図などでもわからない場合の、最終的な検査として用いられることが多いです。
心臓から離れた手足の静脈や動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を入れて、心臓のなかや、さらには肺動脈にまで挿入することで、それぞれの部位の血圧や血液の酸素濃度を測ることが可能です。
さらにこのカテーテルからヨードの入った造影剤を入れてX線画像を撮ることもあります。それにより心臓内腔の形や動きまでとらえることかができます。

心エコー図

心臓では、心膜、心筋、心内膜、弁、血液はそれぞれ密度が異なることから、超音波を当てるとその境界から反射波が発生します。心エコーとは、この性質を利用したものです。レーダーや魚群探知機などと同じ原理を用いて人間の耳には聞えない超音波をあてて、その反射波を捕らえて記録する検査法です。

心エコー図からは、弁の変化、心室腔の拡大・狭小化、壁の肥厚、壁の運動、心膜液の貯留、および心臓の壁や弁に付着している血栓や心内膜炎で生じているいぼに関する情報が得られます。

心エコー図を用いると、心臓の内部構造と動きを患者さんに負担をかけることかなく、身体の外側から観察することができます。このため、心臓病の場合には、心電図と並び、基本的な検査法とされます。


心臓病の一種、狭心症と診断されたら、その主な症状である「胸痛」への対処が治療の中心となります。
実際に、胸痛が起こったときの対処としては、ニトログリセリン舌下錠を服用します。ニトログリセリンは、狭心症の胸痛の特効薬だからです。そのほか、胸痛が起こらないように予防する治療法がとられます。
たとえば、次のような方法がとられます。
1.抗狭心症薬を服用する。
2.手術を受ける。

1.抗狭心症薬を服用する。
抗狭心症薬には、大きくわけて、「硝酸薬」「ベータ遮断薬」「カルシウム拮抗薬」の3つがあります。
●「硝酸薬」・・・ニトログリセリンは、硝酸薬の一種です。ニトログリセリンの舌下錠は、胸痛が実際に起こったときにそれを押さえるために用いられる薬です。一方、胸痛を予防するために内服可能な形の硝酸薬を、ベータ遮断薬やカルシウム拮抗薬と併せて、1日に数回、時間を決めて服用します。ニトログリセリンは内服では効力がないため、最近は、胸の皮膚から吸収させる貼り薬が用いられることがあります。

●「カルシウム拮抗薬」・・・すべての狭心症のタイプに有効な薬ですが、特に安静狭心症に効果があります。

●「ベータ遮断薬」・・・ベータ遮断薬は、労作狭心症に効果があります。

2.手術を受ける。
これらの薬を服用しても胸痛が軽減しない場合は、手術をおこなう場合があります。

そのほか、高血圧や高コレステロール血症、糖尿病などは、狭心症の危険因子となりますので、そちらの治療を継続することが大切です。

狭心症と診断されると、ニトログリセリン舌下錠による胸痛を抑える治療と、抗狭心症薬(「硝酸薬」「ベータ遮断薬」「カルシウム拮抗薬」)および手術による胸痛を予防する治療が開始されます。もちろんこれらは非常に大切な治療法ですが、予後には、日ごろの生活が大きくかかわります。狭心症のリスクを少しでも下げるような生活へと改善する必要があります。
以下にその注意点をあげます。

1.運動について・・・過激な運動は避けます。
2.トイレについて・・・冬の夜間には、トイレに行くのではなく排尿には尿瓶(しびん)を用いるか、トイレを暖かくする工夫をします。また、排便時には強くいきまないようにしましょう。
3.生活に余裕をもつ・・・早朝は狭心症を起こしやすく、冬は特にその危険が高まります。朝、あわただしく出勤するのはよくありません。また、睡眠不足は狭心症のリスクをあげます。夜更かしをしないことが大切です。
4.入浴、洗顔・・・入浴は熱い湯や長湯は避けます。冬の浴室は、あらかじめ湯船のふたをあけておくなど、浴室を十分にあたためてから入るようにします。また、朝の洗顔に使う水も温水を使うようにします。
5.食事・・・腹八分目にしましょう。満腹になると心臓の働きが活発になり、負担をかけることになります。また、消化のために血液が胃や腸に集中し、その結果、心臓へまわるはずの血液が不足がちになるからです。そのほか、食べすぎによる肥満は、狭心症の原因となる動脈硬化を進めます。高血圧症、糖尿病、高脂血症といった疾患がある方は、それらの治療のためにも食事の改善を進めましょう。
6.喫煙・・・禁煙!は、いうまでもありません。
7.心身のストレス・・・動脈硬化を進める危険因子です。気持ちをゆったりと持ちましょう。



心臓病の場合、主に、1.動悸、2.息ぎれ、3.呼吸困難、4.むくみ(浮腫(ふしゅ))5.胸痛(狭心症)、6.不整脈、および7.心臓の衰弱、といった、症状が出ます。しかしこれらの症状は、心臓病以外の内臓疾患で生じることがありますし、なんら具体的な内臓疾患がなくても精神的なストレスや不安で生じることもあります。そこで、それらの症状がはたして本当に心臓病によるものなのか、きちんとした検査を受け、専門の医師の判断をあおぐことが大切です。
心臓病が疑われる場合、一般的な診察、検査のほかに必要に応じて、心電図や心エコー図など、専門の検査がおこなわれます。
●一般的な診察・検査
・病歴、現在の症状、などを聞く。
・聴診器の身体的な所見。
・血液、尿の検査所見。
・胸部X線検査。

●心臓病の専門の検査
・心電図・・・心筋での電圧の変動を身体の表面からとらえる検査で、あらゆる心臓病で必須の検査です。心筋のさまざまな変化が明らかになります。特に、不整脈、心筋梗塞、狭心症には欠かせない検査です。
・運動負荷試験・・・労作狭心症をはじめとする、虚血性心疾患に有用な検査です。安静時には検出できない心筋の虚血(「虚血(きょけつ)」とは、心筋(心臓の筋肉)に必要なだけの血液が冠動脈(かんどうみゃく)から供給されなくなってしまうことをいいます。冠動脈の動脈硬化が原因によるものです)を、運動を負荷して心筋の酸素消費量を増やすことによって誘発し、冠動脈からの血液の供給の不足を調べるものです。

そのほか
・ホルター心電図
ホルター心電図は、日常生活中の心電図を連続して記録します。携帯型の装置で24時間心電図を記録するのです。安静にしているときに出る狭心症発作も把握することができるだけでなく、どのようなときに発作がおこっているかも把握できます。
磁気テープに記録された心電図は、解析装置にかけられます。この検査は、安静狭心症や異型狭心症、無症候性心筋虚血の診断、およびふつうの心電図ではとらえられない不整脈やさまざまな発作の診断に有用です。また、生活指導やリハビリテーションの基準の作成にも役立てられます。

ただし、このホルター心電図でも、すべての発作をとらえられるわけではありません。機器をつけている安静時に発作がおきない場合、空振りに終わってしまうからです。そのようなときには、冠動脈造営検査など、ほかの検査がおこなわれます。

・心エコー図
・心臓カテーテル検査
・心音図
・心臓核医学検査


心臓病の代表的な症状は、以下のものです。

1.動悸、2.息ぎれ、3.呼吸困難、4.むくみ(浮腫(ふしゅ))5.胸痛(狭心症)、6.不整脈、および7.心臓の衰弱 です。

動悸(どうき)

動悸というのは、胸のなかで心臓がドキドキと打つのを感じることをいいます。ふつう、わたしたちは自分の心臓の鼓動を意識することはありませんよね、しかしいきおいよく階段をかけ上ったり、マラソンをしたりと、激しい運動をしたあとや、興奮したときには、健康な人でも心臓がドキンドキンと脈打つのを感じます。病的な「動悸」とは、安静時や、ちょっとした運動ですぐにこのような鼓動を感じることをいいます。
動悸は、心臓が衰弱したときに生じます。また、「心臓神経症」といって、実際には心臓は丈夫なのですが、動悸や息切れ、胸痛、頻脈などの心臓病の症状が現れる病気でも、生じます。心臓神経症は、ストレスや不安が原因と考えられます。各種の心臓検査をおこなっても心臓に異常がみられないだけでなく、心臓のはたらきに影響を与える病気も認められないときに、心臓神経症と診断されます。

心臓神経症は、ストレスや不安が原因と考えられます。各種の心臓検査をおこなっても心臓に異常がみられないだけでなく、心臓のはたらきに影響を与える病気(たとえば、貧血、甲状腺機能亢進症、呼吸器疾患など)も認められません。

この疾患は、精神科の立場からは、「不安神経症」の一種とされます。

ほかの心臓病と同様、一連の検査がおこなわれます。
一般的な診察・検査として、1.病歴、現在の症状、などを聞く。2.聴診器の身体的な所見。3.血液、尿の検査所見。4.胸部X線検査。
心臓病の専門の検査として、1.心電図、2.運動負荷試験、3.ホルター心電図、4.心エコー図、5.心臓カテーテル検査、6.心音図、7.心臓核医学検査などです。
これらの検査をおこなってみて、器質的、機能的な心臓病の可能性が否定された場合、「心臓神経症」が疑われます。そして神経症の検査として、心理テスト、性格テストがおこなわれることになります。

治療は、心理的な治療が主体となります。精神安定薬などが用いられることもあります。

精神的なものだから、ということで、ではその患者さんの苦しみを軽視していいか、ということではまったくありません。器質的、機能的な疾患と同様、その苦しみを何とか取り除けるよう、医師は最善を尽くしますし、患者さんも医師を信頼して心を少しでも楽に、安定させる工夫をし、周りのご家族も協力することが大切です。

また、心臓病以外でも、バセドー氏病や貧血、脚気(かっけ)でも動悸が生じることがあります。
心臓が本当に悪く心臓に具体的な病気があるのか、それともほかに何か動悸が起こる疾患が身体のとこかにあるのか、あるいは神経性のものなのか、など、これらは区別が難しいものです。したがって専門の医師による検査、診断を受けることが大切です。


心肥大とは、心臓の筋肉(心筋)の量が増えた状態をいいます。心肥大がまだ初期の段階では、心筋の収縮力は維持されますが、肥大が進むと心不全や不整脈などの心臓病を起こすことがあります。

心肥大には、心筋細胞が心臓の内腔に向けてどんどん厚くなっていくタイプ(求心性肥大)と、外へ向かって広がっていくタイプ(遠心性肥大)があります。心肥大は、原因となる病気があって、それが心室に負荷をかけたために結果的に起こる状態です。独立した心臓病というわけではありません。
たとえば、求心性肥大は、心臓の壁が厚くなって、心臓の内腔が狭くなった状態ですが、これは高血圧や大動脈弁狭窄症などがあって、心臓から血液を押し出すのに大きな力が必要となった場合に生じやすくなります。
一方、遠心性肥大は、むしろ心臓の内腔が拡張した状態です。逆流のある弁膜症や先天性心疾患でみられます。心臓からの拍出量を確保するために、内腔を拡張するように心臓が肥大して起こると考えられます。

*一部に原因となる疾患がないのに、心肥大が起こることもあります(突発性肥大型心筋症)。

心肥大の診断
心肥大の診断法は主に次の3種類です。

1.レントゲン・・・心臓の大きさを影絵としてみる方法です。したがって心臓の壁の厚さまではわかりません。

2.超音波・・・心臓の壁の厚さや内腔の容量をみます。

3.心電図・・・心肥大の特徴的な変化の型(右室肥大、左室肥大)や、その程度をそれなりに把握することができます。


心筋炎(しんきんえん)というのは、心臓を動かす筋肉である「心筋(しんきん)」が、炎症を起こす疾患です。

心筋炎の多くは原因不明です。ただし、リウマチ熱や免疫系の病気である全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、強皮症(きょうひしょう)、サルコイドーシスなどから、心筋炎になることもあります。
頻繁に起こる心臓病ではなく、予後も良好ですが、完全になおることは少ないようです。

心筋炎の場合、ウィルスや細菌が心筋に感染し、心筋の細胞が犯されます。そのため心臓の収縮力が弱まり、心臓が肥大したり、心臓機能が低下したりといった症状が出ます。

最初は、発熱やのどの痛み、頭痛、倦怠感など、風邪によく似た症状が出ます。吐き気や嘔吐、下痢、腹痛からはじまるケースもあります。その後、数日~一週間ほどして、動悸や胸痛、呼吸困難、脈の乱れ、むくみが現れます。ただし、これらの症状はあまり長くは続かないため、心筋炎が起こっていることに気づかないままのこともあります。ただし、身体が疲労している場合に心筋炎を発症すると、急速に悪化し、ショック状態になるなど、危険な状態に至ることもあるので注意が必要です。
ショック状態に陥った場合は命の危険がありますので、救急車を呼ぶ必要があります。治療をおこなわずにいると心臓の機能が低下するので、医師の治療を受けることが大切です。安静にして、栄養の補給や輸液などの処置がおこなわれます。心臓の機能が低下している場合には、ジギタイス製剤を用いたり、利尿剤の服用、食塩の制限がおこなわれます。



近年、心臓病で亡くなる人が増えています。以前は、脳卒中のほうが多かったのですが、現在は、がんについで、日本人の死因の第2位になっています。心臓病のなかでもっとも注目されているのが、狭心症と心筋梗塞です。両者をまとめて「虚血性心疾患」と呼びます。

狭心症というのは、心臓そのものに酸素を送っている冠動脈が、動脈硬化などによって狭くなった結果、心臓が必要とする血液を得られなくなったときに生じる病気です。

一方、心筋梗塞は、心臓を動かす筋肉(これを「心筋」と呼びます)に酸素を含んだ血液を運んでいる血管が詰まり、極端に細くなった結果、その部分より先に血液が流れなくなって、心筋が壊れてしまい、もはや回復不可能な状態になったものです。

狭心症と心筋梗塞は良く似ていますが、違う病気です。以下に、共通する症状の、微妙な違いをあげます。

心筋梗塞
・胸痛・・・強い痛みです。持続時間は20~数時間です。安静にしても、なおりません。ニトログリセリンでも改善しません。
・そのほかの症状・・・顔面蒼白、冷や汗がみられます。不整脈が出やすく、意識障害や嘔吐がときおりあります。

狭心症
・胸痛・・・締め付けられる感じの痛みがあります。持続時間は3~15分程度です。安静にすると、なおります。ニトログリセリンで改善します。
・そのほかの症状・・・不整脈が時折ありますが、さほど多くはありません。嘔吐が時折みられます。
*心筋梗塞にみられるような、顔面蒼白、冷や汗、意識障害はありません。


現在、がんに次いで、日本人の死因の第2位を占めるのが、心臓病です。なかでももっとも注目されているのが、狭心症や心筋梗塞といった、「虚血性心疾患」です。「虚血(きょけつ)」とは、心筋(心臓の筋肉)に必要なだけの血液が冠動脈(かんどうみゃく)から供給されなくなってしまうことをいいます。冠動脈の動脈硬化が原因によるものです。
狭心症や心筋梗塞はどのように診断されるのでしょうか。
狭心症や心筋梗塞の場合、まずその最大の特徴である胸痛によって判断します。ただし、狭心症や心筋梗塞のなかには、胸痛がほとんどみられないものもあります。これを無症候性の虚血性心疾患といい、お年寄りに多くみられます。
そのため、胸痛といった自覚症状だけでなく、心電図による検査が必要となります。
心電図は、心筋での電圧の変動を身体の表面からとらえる検査で、あらゆる心臓病で必須の検査です。心筋のさまざまな変化が明らかになります。特に、不整脈、心筋梗塞、狭心症には欠かせない検査です。
心電図をとると、虚血性心疾患ならばそれ特有の心電図変化が現れます。しかし、狭心症の場合、このような変化は、発作の起こっているときにしかみられません。一方、心筋梗塞の場合は、通常、心筋に回復不可能な傷跡が明確に残っていることから、発作のない場合でも心電図で病的な変化をとらえることが可能です。
*ただし、一部、軽い心筋梗塞の場合は、傷跡がわからないこともあります。



最近、心臓病で亡くなる人が増えています。なかでも注目されているのが、狭心症(きょうしんしょう)や心筋梗塞(しんきんこうそく)といった「虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)」です。

心臓が拡張、収縮するためには、心臓の筋肉そのものにエネルギーを与える必要があります。そのために、心臓に酸素や栄養分を補給する血管が冠動脈(かんどうみゃく)です。虚血とは、心筋(心臓の筋肉)に必要なだけの血液が冠動脈(かんどうみゃく)から供給されなくなってしまうことをいい、冠動脈の動脈硬化が原因とされます。

狭心症や心筋梗塞といった、虚血性心疾患は、特に働き盛りの男性に多く見られる傾向があります。実際、心筋梗塞を例に考えてみると、もっとも多いのは、男性では50代後半、女性では60歳前後といわれます。男性のほうが早い年齢でかかりやすく、患者数をみても女性の数倍にのぼるといわれます。

虚血性心疾患は、冠動脈の動脈硬化が原因です。したがって冠動脈の動脈硬化を引き起こすよう要因が、虚血性心疾患の危険因子といえます。高コレステロール血症、肥満、高尿酸血症、高血圧症などの病気があること、喫煙、運動不足、さらにストレスも虚血性心疾患の危険因子となります。また、親やきょうだいなどに、虚血性心疾患の人がいる場合、非常に危険が高いといわれています。
そして最近注目されているのが、A型性格と呼ばれる性格です。負けず嫌い、ばりばりと何かに追われるかのように働く人がこの性格に当てはまります。

心臓病のなかでも近年、特に注目を浴びているのが、狭心症や心筋梗塞といった、虚血性心疾患です。心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を供給する血管「冠動脈」が硬化し、冠動脈内部が狭まってしまうために、血流が悪くなったり、血管が閉じてしまってその先の部分が破壊されてしまう疾患です。したがって、虚血性心疾患の治療では、動脈硬化を改善することが求められます。血中コレステロールや中性脂肪、血圧、減量・・・などです。そのため、食事は、心臓に負担をかけないように、エネルギーや脂肪を抑え、塩分の摂取も制限します。そうすることで徐々に心臓の機能を回復させていくのです。

虚血性心疾患を招く要因は、高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症、痛風、喫煙や運動不足です。これらの危険因子を減らすためにも、次の点に注意した食事改善が求められます。

1.肥満を解消するために、過食や早食いの習慣を改める。
2.良質のたんぱく質(脂肪の少ない赤身肉、魚、卵、大豆製品)をとる。
3.塩分を控える(1日7グラム以下。高血圧やむくみがひどい場合は、1日5~3グラム以下に)。
4.植物性油や魚の油をとり、動物性脂肪は控える。
5.ビタミン、ミネラル、食物繊維を充分にとる(ビタミンやミネラルは心筋や血液を強化します。また食物繊維は血中コレステロールを排出し、便通を整えます。便秘は心臓を圧迫し、血圧を上昇させます)。
6.水分、糖質を控える。
7.禁煙し、酒やコーヒーなどはやめる。


生まれつき心臓の構造になんらかの異常や奇形がある心臓病を「先天性心疾患(せんてんせいしんしっかん)」といいます。先天性心疾患には、たとえば以下のものがあります。

・心房中隔欠損症(しんぼうちゅうかくけっそんしょう)
・心室中隔欠損症(いんしつちゅうかくけっそんしょう)
・動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)
・肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう)
・大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)
・ファロー四徴症(ふぁろーしちょうしょう)

それぞれ心臓の構造になんらかの奇形が認められます。たとえば、心房中隔欠損症の場合は、心房中隔に穴があります。また、心室中隔欠損症は、心室中隔に穴があいている状態です。動脈管開存症というのは、動脈管の閉鎖が十分ではない状態であり、肺動脈弁狭窄症は、肺動脈弁が狭くなっています。大動脈弁狭窄症は、大動脈弁が狭くなっています。そしてファロー四徴症というのは、「四」つの部分に異常があるということ、つまり肺動脈狭窄、心室中隔欠損症、大動脈騎乗、右心室肥大がみられる状態です。

先天性心疾患は、生まれてくる赤ちゃんの100人~125人に1人程度の割合で見られます。しかし、親が先天性心疾患であった場合、その割合は約2倍に、またきょうだいがすでに先天性心疾患で生まれている場合は、約3倍に起こりやすくなるといわれています。
新生児や乳児の時期に異常がみつかることが多いのですが、なかでには大人になってはじめて明らかになったという場合も少なくありません。

医学の進歩、特に小児の心臓病に対する早期診断や治療技術の発達により、最近は死にいたるケースは少なくなってきましたが、新しく生まれてくる赤ちゃんの100人~125人に1人という、決して少なくない割合で認められるのが、先天性心疾患です。これは、生まれながらに心臓の構造になんらかの異常(奇形)が認められる心臓病です。

どうして先天性心疾患をもつ赤ちゃんが生まれてくるのか、という原因については、残念ながら、わからない場合が多いです。しかし、親が先天性心疾患であった場合、その発生は約2倍に、また同じ両親からうまれたきょうだいがすでに先天性心疾患である場合は、約3倍に起こりやすくなるといわれていることから、なんらかの遺伝子の異常が関係していることが考えられます。また、風疹などのウィルス感染症、X線、ある種の抗生物質などの一部の薬が原因で、先天性心疾患をもつ子どもが生まれてきやすくなることは確かです。

先天性心疾患が胎児に見られるようになるのは、妊娠2ヶ月頃までです。それ以後は、どのような条件によっても発生することはないといわれます。ということは、こと先天性心疾患に限っていえば、妊娠2ヶ月までを無事にすごすことが極めて重要だということです。風疹などのウィルス感染にかからないように注意し、薬物治療を受ける場合は、妊娠している旨を医師に伝えることが大切です。また、X線検査を受ける際にも、その旨を伝えるべきです。

生まれながらに心臓の構造になんらかの異常がある心臓病、つまり心臓の奇形を「先天性心疾患」といいます。以前は、奇形や異常の重症度によっては、乳児期に死亡するケースが多かったのですが、最近は、小児心臓病に対する診断や治療技術など、医学の進歩で死亡するケースは少なくなりました。

先天性心疾患は、出生後すぐに明らかになり、ただちに新生児集中治療室(NICU)に運ばれて治療を開始する必要があるものもありますが、なかには成長にしたがって徐々に進行していくもの、あるいは大人になるまで明らかにならなかったというものまでさまざまです。
先天性心疾患の経過と予後は、それぞれの状態によってさまざまです。放置すると予後の悪い先天性心疾患の場合は、通常3~5歳で手術を行います。

先天性心疾患のなかでももっとも発症頻度の高い心臓病である心室中隔欠損症(いんしつちゅうかくけっそんしょう)の場合、通常、生後数日までは症状がないのですが、それ以降、心雑音で発見されることが多いです。心室中隔欠損症は、心室中隔に穴がある心臓病ですが、たとえ新生児にそう診断されたとしても、その20~30パーセントは、5歳ころまでに自然に穴が閉じます。欠損孔の大きなものについては通常、2歳ころまでに手術を行います。ただし、軽症の場合は、小さな穴が開いたままになっていても、感染性の心内膜炎を起こさないよう生活のなかで注意していれば、予後は特に問題ないとされます。


心臓は、収縮して血液を拍出し、もとに戻るときに上流の心房を通った血液が心室に流れます。そしてそれに伴って肺動脈や大動脈から血液が心臓に帰ってくるという仕組みになっています。
心不全(いんふぜん)とは、さまざまな心臓病のために心臓の収縮能力が弱まり、身体の臓器や組織に必要なだけの十分な血液を送りだすことができなくなった状態をいいます。したがって、心不全になると、全身の臓器へ血液が十分にいきわたらなくなり、肺や身体の静脈に血液がうっ滞するようになります。これが「うっ血性心不全」です。

心不全を悪化させる危険因子
・感染、発熱。
・肉体的、精神的な過労、環境の温度や湿度の上昇。
・利尿薬などの薬を中断すること。
・貧血、甲状腺機能亢進症、妊娠、肥満。
・不整脈。
・塩分や水分の過剰摂取。
・消化器の障害、電解質のバランスの変化、など。

心不全では、全身の臓器や組織へ血液が十分にいきわたらなくなり、肺や静脈系のうっ血が起こることから、その症状は、全身のさまざまな障害をもたらします。

もっともよく見られるのは、肺のうっ血による呼吸困難です。そのほか、肺浮腫や全身の浮腫が生じます。肝臓のうっ血による肝腫大(肝臓の肥大)、胃腸のうっ血による食欲不振、嘔吐、腹部膨満感が起きます。
呼吸困難は、最初は身体を動かしたときにのみ現れる程度ですが、進行すると安静時にもみられるようになります。心臓喘息(肺水腫)と呼ばれ、患者さんにとって非常に苦しい状態です。

では、心不全と診断されたら、どのような点に注意して生活したらいいのでしょうか?

心不全に対して重要なことは、できるだけ心臓に負担をかけないように重症度に応じて心身ともに安静を保つことです。安静を保つことで、心不全によって低下する腎臓の血液量を増やすことができます。また、それは静脈の血圧を低く抑えることにもつながるのです。

安静時の注意
・寝ている部屋の温度、湿度に注意する。
・姿勢・・・あおむけに寝ているのが苦しい場合は、上半身を起こすようにします。また、医師と相談し、運動が可能な場合は、適度な運動を続けるようにします。ずっと寝ていると、体力が低下し、筋肉が弱まって社会復帰を遅らせる原因にもなります。また、感染症や脳塞栓の危険も増えるからです。

食事
・塩分を制限します。1日の塩分摂取量は、症状に応じて4段階にわけます(10グラム以下、7~8グラム以下、5グラム以下、3グラム以下)。
*ただし、心不全のときにはただでさえ食欲が低下していますから、あまり薄味にすると食事がすすみません。見た目の彩りを工夫したり、酢で味に変化をつけるといいでしょう。
・食べすぎはよくありません。またむくみがあるときには、水分も控えます(1日500~1000ミリグラムを目安にします)。
・コーヒー、アルコールなどの嗜好品は控えます。特にアルコールは、飲用後に水分を欲するので、むくみを招くことになります。
・たばこは、心臓に負担をかけます。また、肺やのどの感染の危険もあることから、禁煙すべきですね。



狭心症とは、現在注目されている心臓の病である虚血性心疾患のひとつです。
狭心症は、50歳代~60歳代に多く起こります。なかには40歳代に発症することも珍しくありません。男女比は、4:1あるいは5:1で、一般に男性に多くみられます。

狭心症の特徴的な症状は、前胸部の痛みです。これを「狭心通」といいます。締め付けられる感じの痛みで、持続時間は3~15分程度です。安静にすると、なおります。ニトログリセリンで改善します。
胸痛のほかには、不整脈が時折ありますが、さほど多くはありません。嘔吐が時折みられます。ただし、心筋梗塞にみられるような、顔面蒼白、冷や汗、意識障害はありません。

狭心症は大きく次ぎの2タイプにわかれます。

労作狭心症(ろうさくきょうしんしょう)
急いで歩いたり、急な階段をのぼったりしたときに症状が現れるタイプの狭心症。

安静狭心症(あんせいきょうしんしょう)
睡眠中など、安静にしていても起こるタイプの狭心症。安静狭心症は、さらにまたいくつかのタイプに分かれます。
・「異型狭心症(いけいきょうしんしょう)」・・・心電図の波形に特徴がある安静時狭心症のタイプ。
・「夜間狭心症(やかんきょうしんしょう)」・・・特に夜間に現れるタイプの安静時狭心症のタイプ。

狭心症によって亡くなるということはありませんが、一部のタイプで狭心症から心筋梗塞へ発展することがありますので、注意が必要です。たとえば、胸痛に対してニトログリセリンが効かなくなってきた、最近狭心症の発作が頻繁に起こるようになった、労作狭心症のタイプから安静狭心症のタイプへ変化した、などの症状がある場合は、注意が必要です。

狭心症の症状の特徴は、胸の痛み(胸痛)です。痛みの感じ方は人によってさまざまですし、表現のしかたも異なりますから、一概にどのような痛みか、とはいえませんが、「胸が締め付けられるような痛み」「胸が押さえつけられるような痛み」「胸がつまるような苦しみ」と表現されることが多いようです。心筋梗塞の胸痛が、「火ばしを胸に当てられたような痛み」「焼きごて当てられたような苦しみ」と表現されるのと比べると、刺すような痛みというよりも鈍く、重苦しい痛みという感じのようです。

痛みを感じる場所は、前胸部、特に前胸部の中心に走る骨(胸骨)の裏側あたりに感じることが多いです。ただし、人によって、また場合によって、みぞおち付近や、前胸部全体、左右のいずれか、に痛みが感じられることもあります。
そのほか、「放散痛(ほうさんつう)」といって、主に身体の左側のあちこちに痛みが現れることがあります。左腕、頸部、下あご、背中など、ときには奥歯が痛む、ということさえあります。

胸痛が出始めてからおまるまでの時間は、通常、安静にしていれば数分~10分以内です。胸痛が30分以上にわたって続く場合は、心筋梗塞が疑われます。
胸痛の発作は、月に1回程度の方もいらっしゃれば、日に数回起こるという方もいらっしゃいます。痛みが軽いために記憶からもれていらっしゃるということもありますし、狭心症の発作が起こるのを恐れて激しい運動を控えるようになり、発作が抑えられているということもあります。


心筋梗塞(しんきんこうそく)は、心臓病のなかでも狭心症とならび、現在、もっとも注目を浴びている疾患です。狭心症と心筋梗塞はまとめて「虚血性心疾患」と呼ばれます。

心筋梗塞は、心筋(心臓を動かす筋肉)に酸素を含んだ血液を運ぶはずの血管がつまり、極度に狭窄したためにその部分よりも先に血液が流れなくなったことで、心筋が、もはや回復不可能なまで破壊されてしまう疾患です。

心筋梗塞の特徴的な症状は、前胸部の長く続く痛みです。持続時間は20~数時間です。安静にしても、なおりません。ニトログリセリンでも改善しません。狭心症でも同じように胸に痛みがありますが、狭心症の場合は、3~15分程度でおさまり、安静にし、ニトログリセリンによって回復します。

そのほか、心筋梗塞では、顔面蒼白、冷や汗がみられます。不整脈が出やすく、意識障害や嘔吐がときおりあります。

心筋梗塞は、その半数がまったく突然に起こります。あとの半数は、狭心症が発展して心筋梗塞にいたったものです。狭心症から発展したような場合、心筋梗塞の発作の数週間~1ヶ月程度前にそれらしき兆候がみられます。たとえば、狭心症の回数が増えた、以前よりもほんのちょっとしたこと(簡単な動作)で狭心症が起こった、労作狭心症から安静狭心症になった、ニトログリセリンが効かなくなった、といった変化があらわれた場合には、注意が必要です。

心筋梗塞の発作が起きたら、時間が勝負です。ただちに救急車を呼び、「冠動脈疾患集中治療室」(CCU)がある病院へ入院します。

心臓を動かす筋肉である心筋に酸素を運ぶ血管がつまり、心筋が回復不可能なまでに破壊されてしまったのが、心筋梗塞です。急性心筋梗塞の発症は、男性では50代後半がピークで、女性では60代前半がピークとなります。男女比は、約3.5:1と、男性のほうが圧倒的に多数です。

心筋梗塞の症状でもっとも特徴的なのは、胸の痛み(胸痛)です。
*ただし、一部に胸痛がまったくみられない心筋梗塞もあります。これは特に70歳以上の高齢者にその傾向があり、「無症候性心筋梗塞」、あるいは「無痛性心筋梗塞」と呼ばれます。

心筋梗塞の胸痛の特徴
胸を締め付けられるような痛み、あるいは胸に火ばしや焼きごてを当てられたような激しい痛み、と表現されることがあります。狭心症と比べて激しく、長く、耐え難い痛みであることが多いようです。痛みというよりも、背中から前胸部に向かって何かが走ったような・・・押しつぶされるような苦しみ、と訴える方もいらっしゃいます。
狭心症と大きく異なることは、狭心症の場合は、ニトログリセリンで痛みがおさまるのに対して、心筋梗塞の場合は、ニトログリセリンの効果がないということです。また、労作狭心症との違いとしては、心筋梗塞の場合は、何か運動がきっかけで発作が起こるということではなく、また安静にしていても胸痛がおさまらないということです。
そのほか、持続時間が、狭心症の場合は数分~長くても15分程度であるのに対し、心筋梗塞は短くて10分以上、たいていの場合、1~2時間、さらには翌日まで持ち越されることさえあります。


現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれます。

ペースメーカーの原理
ペースメーカーというのは、徐脈性不整脈を治療する目的で体内に植え込む電気刺激装置です。心臓が一定の時間以上とまったままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、というのが基本的な原理です。

ペースメーカーの適応者
ペースメーカーが適応されるのは、次のような場合です。

1.心臓病のひとつで、アダムス・ストークス症候群と呼ばれるものがあります。心室停止などで心臓のポンプ機能が止まり、脳にも血液が行かなくなってしまうため、失神してしまうような症例です。多くの場合は数秒から数分で意識を回復しますが、そのまま長く続くと、心臓麻痺で死亡する、いわゆる突然死の恐れがあります。

2.高度の徐脈が原因で運動、動作にともなった心臓の拍出量の増加ができなくなってしまい、すぐに息切れや呼吸困難、足が重くなるといった症状がおき、日常の身体活動に著しい支障がおよぶ症例、など。

ペースメーカーが体内に埋め込まれるようになったのは、1960年代からで、それ以来、今日にいたるまでさまざまな改良が加えられてきました。ペースメーカーは、大きさは5×4×1センチメートル以下で、重さも30グラム以下のものなど、非常精密な器機です。最近ではかなり故障も少なくなってきましたが、定期的な点検が必要ですし、電池を利用していることから消耗すれば交換が必要です(通常なら、7~8年はもつといわれます)。

ペースメーカーとは、心臓が一定の時間以上とまったままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、という、非常に精密な器機です。現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれます。ペースメーカーは、近年、非常に発達し、故障が少なくなったとはいえ、器械ですから決して100パーセント、人間の心臓そのものというわけにはいきません。ペースメーカーを埋め込む患者さんご本人だけでなく、周囲の人たちがさまざまな配慮をすることが重要です。

列車や公共の場所で、携帯電話の使用を自粛するよう盛んに呼びかけられていますが、その理由のひとつに、携帯電話の使用がペースメーカーに影響をおよぼすから、という理由があります。

携帯電話だけでなく、低周波治療器や電子レンジなども、ペースメーカーに影響を及ぼします。また、ペースメーカーをつけている人は、磁気共鳴画像装置(MRI)による検査や電気メスによる手術を受けることはできません。磁場が発生する環境には充分に注意が必要です。
日本では、現在、日本心臓ペースメーカー友の会が発足し、ペースメーカーを体内に埋め込んだ人たちのさまざまな相談に応じています。同じ悩みをもつ仲間、先輩たちとのかかわりは何よりもの心の支えになることがあります。ペースメーカーを植え込んだご本人、ご家族の方々は連絡してみてはいかがでしょう。
日本心臓ペースメーカー友の会
電話 03―3420―1200

心臓病を治したい!