現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれます。
ペースメーカーの原理
ペースメーカーというのは、徐脈性不整脈を治療する目的で体内に植え込む電気刺激装置です。心臓が一定の時間以上とまったままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、というのが基本的な原理です。
ペースメーカーの適応者
ペースメーカーが適応されるのは、次のような場合です。
1.心臓病のひとつで、アダムス・ストークス症候群と呼ばれるものがあります。心室停止などで心臓のポンプ機能が止まり、脳にも血液が行かなくなってしまうため、失神してしまうような症例です。多くの場合は数秒から数分で意識を回復しますが、そのまま長く続くと、心臓麻痺で死亡する、いわゆる突然死の恐れがあります。
2.高度の徐脈が原因で運動、動作にともなった心臓の拍出量の増加ができなくなってしまい、すぐに息切れや呼吸困難、足が重くなるといった症状がおき、日常の身体活動に著しい支障がおよぶ症例、など。
ペースメーカーが体内に埋め込まれるようになったのは、1960年代からで、それ以来、今日にいたるまでさまざまな改良が加えられてきました。ペースメーカーは、大きさは5×4×1センチメートル以下で、重さも30グラム以下のものなど、非常精密な器機です。最近ではかなり故障も少なくなってきましたが、定期的な点検が必要ですし、電池を利用していることから消耗すれば交換が必要です(通常なら、7~8年はもつといわれます)。
ペースメーカーとは、心臓が一定の時間以上とまったままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、という、非常に精密な器機です。現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれます。ペースメーカーは、近年、非常に発達し、故障が少なくなったとはいえ、器械ですから決して100パーセント、人間の心臓そのものというわけにはいきません。ペースメーカーを埋め込む患者さんご本人だけでなく、周囲の人たちがさまざまな配慮をすることが重要です。
列車や公共の場所で、携帯電話の使用を自粛するよう盛んに呼びかけられていますが、その理由のひとつに、携帯電話の使用がペースメーカーに影響をおよぼすから、という理由があります。
携帯電話だけでなく、低周波治療器や電子レンジなども、ペースメーカーに影響を及ぼします。また、ペースメーカーをつけている人は、磁気共鳴画像装置(MRI)による検査や電気メスによる手術を受けることはできません。磁場が発生する環境には充分に注意が必要です。
日本では、現在、日本心臓ペースメーカー友の会が発足し、ペースメーカーを体内に埋め込んだ人たちのさまざまな相談に応じています。同じ悩みをもつ仲間、先輩たちとのかかわりは何よりもの心の支えになることがあります。ペースメーカーを植え込んだご本人、ご家族の方々は連絡してみてはいかがでしょう。
日本心臓ペースメーカー友の会
電話 03―3420―1200