心臓病のなかでも最近特に注目されているのは、「虚血性心疾患」です。虚血性心疾患とは、狭心症と心筋梗塞をまとめた言い方です。
狭心症の症状の主な特徴は「胸痛」です。したがって、狭心症の治療は、1.胸痛が起こったときにそれを抑えるための治療、と2.胸痛が起こらないように予防する治療にわかれます。
胸痛が起こったときにそれを抑えるための治療
1.運動は激しい動作をしていて胸痛が起こったという場合は、ただちにそれらの動作を中止します。気分を楽にして安静にし、深呼吸をします。これだけで痛みがおさまることもあります。
2.狭心症の胸痛を抑えるための薬「ニトログリセリン舌下錠」を処方されている場合は、常に携帯します。胸痛が起こったら、まず1錠を舌の下におきます。それで3分待ち、胸痛が消えない場合は、もう1錠、口に含みます。それでもまだ痛みがおさまらないときは、もう1錠(合計3錠)、同様にためします。
3.3錠試してみて、痛みが消えない場合は、狭心症以外の病気が疑われます(心筋梗塞のなかには、狭心症から発展してなる場合があり、そのような場合、ニトログリセリンは効きません)。ただちに救急車を呼び、救急病院へ行く必要があります。
*ニトログリセリンを使用するときの注意点
1.立ちくらみに注意
ニトログリセリンは、狭心症による胸痛の特効薬ですが、血圧をさげる効果もあることから、ニトログリセリンを服用して立ったままでいると立ちくらみを起こす危険があります。戸外にいるときや、高齢の方は、特に注意が必要です。
2.保存に注意
ニトログリセリンは、一錠ずつパックしてあるものなら少なくとも3年間は有効です。しかしビン入りの場合、しっかりとふたをしておかないとその効力が失われます。
虚血性心疾患になりやすい人、つまり危険因子をたくさんもっていると思われる人は次の方です。
1.男性である。
2.高血圧症の患者である。
3.コレステロールが高い。
4.心電図に異常がある。
5.喫煙者。
6.糖尿病の患者である。
7.肥満である。
8.運動不足である。
これらの項目にあてはまる、またはあてはまる数が多い人は、少しでもそのリスクを下げるための生活改善をおこなう必要があります。
まずは、高脂血症や高血圧、糖尿病などの、症状を改善するための食事のコントロールが必要です。脂肪分の多い食事や塩分の多い食事、バランスの悪い食事はあらためます。栄養士による食事指導を受けることをお勧めします。
肥満解消のために運動不足を改めることも必要です。
軽い運動を毎日、あるいは1日おきに定期的に続けることが大切です。これといって特に力まなくても、短い距離なら乗り物に乗らずに歩く、外出先ではエレベータに乗らない、時間のあるときにはたとえ少しずつでも散歩をするようにする、などでも結構ですので、少しずつ、軽いものから運動を生活に取り入れるようにしましょう。
ただし、運動は医師の許可を得て、また内容についても相談しながら決めていきましょう。
気温が低いときにいきなり動き始めるのはよくありません。十分に準備運動をして身体を温めてからゆっくりとはじめるようにします。
喫煙は、問題外です!ただちにやめましょう。また、刺激の強いもの、カフェインが多いものなど(コーヒー、など)も控えます。