狭心症とは、現在注目されている心臓の病である虚血性心疾患のひとつです。
狭心症は、50歳代~60歳代に多く起こります。なかには40歳代に発症することも珍しくありません。男女比は、4:1あるいは5:1で、一般に男性に多くみられます。
狭心症の特徴的な症状は、前胸部の痛みです。これを「狭心通」といいます。締め付けられる感じの痛みで、持続時間は3~15分程度です。安静にすると、なおります。ニトログリセリンで改善します。
胸痛のほかには、不整脈が時折ありますが、さほど多くはありません。嘔吐が時折みられます。ただし、心筋梗塞にみられるような、顔面蒼白、冷や汗、意識障害はありません。
狭心症は大きく次ぎの2タイプにわかれます。
労作狭心症(ろうさくきょうしんしょう)
急いで歩いたり、急な階段をのぼったりしたときに症状が現れるタイプの狭心症。
安静狭心症(あんせいきょうしんしょう)
睡眠中など、安静にしていても起こるタイプの狭心症。安静狭心症は、さらにまたいくつかのタイプに分かれます。
・「異型狭心症(いけいきょうしんしょう)」・・・心電図の波形に特徴がある安静時狭心症のタイプ。
・「夜間狭心症(やかんきょうしんしょう)」・・・特に夜間に現れるタイプの安静時狭心症のタイプ。
狭心症によって亡くなるということはありませんが、一部のタイプで狭心症から心筋梗塞へ発展することがありますので、注意が必要です。たとえば、胸痛に対してニトログリセリンが効かなくなってきた、最近狭心症の発作が頻繁に起こるようになった、労作狭心症のタイプから安静狭心症のタイプへ変化した、などの症状がある場合は、注意が必要です。
狭心症の症状の特徴は、胸の痛み(胸痛)です。痛みの感じ方は人によってさまざまですし、表現のしかたも異なりますから、一概にどのような痛みか、とはいえませんが、「胸が締め付けられるような痛み」「胸が押さえつけられるような痛み」「胸がつまるような苦しみ」と表現されることが多いようです。心筋梗塞の胸痛が、「火ばしを胸に当てられたような痛み」「焼きごて当てられたような苦しみ」と表現されるのと比べると、刺すような痛みというよりも鈍く、重苦しい痛みという感じのようです。
痛みを感じる場所は、前胸部、特に前胸部の中心に走る骨(胸骨)の裏側あたりに感じることが多いです。ただし、人によって、また場合によって、みぞおち付近や、前胸部全体、左右のいずれか、に痛みが感じられることもあります。
そのほか、「放散痛(ほうさんつう)」といって、主に身体の左側のあちこちに痛みが現れることがあります。左腕、頸部、下あご、背中など、ときには奥歯が痛む、ということさえあります。
胸痛が出始めてからおまるまでの時間は、通常、安静にしていれば数分~10分以内です。胸痛が30分以上にわたって続く場合は、心筋梗塞が疑われます。
胸痛の発作は、月に1回程度の方もいらっしゃれば、日に数回起こるという方もいらっしゃいます。痛みが軽いために記憶からもれていらっしゃるということもありますし、狭心症の発作が起こるのを恐れて激しい運動を控えるようになり、発作が抑えられているということもあります。