心臓は、収縮して血液を拍出し、もとに戻るときに上流の心房を通った血液が心室に流れます。そしてそれに伴って肺動脈や大動脈から血液が心臓に帰ってくるという仕組みになっています。
心不全(いんふぜん)とは、さまざまな心臓病のために心臓の収縮能力が弱まり、身体の臓器や組織に必要なだけの十分な血液を送りだすことができなくなった状態をいいます。したがって、心不全になると、全身の臓器へ血液が十分にいきわたらなくなり、肺や身体の静脈に血液がうっ滞するようになります。これが「うっ血性心不全」です。
心不全を悪化させる危険因子
・感染、発熱。
・肉体的、精神的な過労、環境の温度や湿度の上昇。
・利尿薬などの薬を中断すること。
・貧血、甲状腺機能亢進症、妊娠、肥満。
・不整脈。
・塩分や水分の過剰摂取。
・消化器の障害、電解質のバランスの変化、など。
心不全では、全身の臓器や組織へ血液が十分にいきわたらなくなり、肺や静脈系のうっ血が起こることから、その症状は、全身のさまざまな障害をもたらします。
もっともよく見られるのは、肺のうっ血による呼吸困難です。そのほか、肺浮腫や全身の浮腫が生じます。肝臓のうっ血による肝腫大(肝臓の肥大)、胃腸のうっ血による食欲不振、嘔吐、腹部膨満感が起きます。
呼吸困難は、最初は身体を動かしたときにのみ現れる程度ですが、進行すると安静時にもみられるようになります。心臓喘息(肺水腫)と呼ばれ、患者さんにとって非常に苦しい状態です。
では、心不全と診断されたら、どのような点に注意して生活したらいいのでしょうか?
心不全に対して重要なことは、できるだけ心臓に負担をかけないように重症度に応じて心身ともに安静を保つことです。安静を保つことで、心不全によって低下する腎臓の血液量を増やすことができます。また、それは静脈の血圧を低く抑えることにもつながるのです。
安静時の注意
・寝ている部屋の温度、湿度に注意する。
・姿勢・・・あおむけに寝ているのが苦しい場合は、上半身を起こすようにします。また、医師と相談し、運動が可能な場合は、適度な運動を続けるようにします。ずっと寝ていると、体力が低下し、筋肉が弱まって社会復帰を遅らせる原因にもなります。また、感染症や脳塞栓の危険も増えるからです。
食事
・塩分を制限します。1日の塩分摂取量は、症状に応じて4段階にわけます(10グラム以下、7~8グラム以下、5グラム以下、3グラム以下)。
*ただし、心不全のときにはただでさえ食欲が低下していますから、あまり薄味にすると食事がすすみません。見た目の彩りを工夫したり、酢で味に変化をつけるといいでしょう。
・食べすぎはよくありません。またむくみがあるときには、水分も控えます(1日500~1000ミリグラムを目安にします)。
・コーヒー、アルコールなどの嗜好品は控えます。特にアルコールは、飲用後に水分を欲するので、むくみを招くことになります。
・たばこは、心臓に負担をかけます。また、肺やのどの感染の危険もあることから、禁煙すべきですね。