生まれつき心臓の構造になんらかの異常や奇形がある心臓病を「先天性心疾患(せんてんせいしんしっかん)」といいます。先天性心疾患には、たとえば以下のものがあります。
・心房中隔欠損症(しんぼうちゅうかくけっそんしょう)
・心室中隔欠損症(いんしつちゅうかくけっそんしょう)
・動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)
・肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう)
・大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)
・ファロー四徴症(ふぁろーしちょうしょう)
それぞれ心臓の構造になんらかの奇形が認められます。たとえば、心房中隔欠損症の場合は、心房中隔に穴があります。また、心室中隔欠損症は、心室中隔に穴があいている状態です。動脈管開存症というのは、動脈管の閉鎖が十分ではない状態であり、肺動脈弁狭窄症は、肺動脈弁が狭くなっています。大動脈弁狭窄症は、大動脈弁が狭くなっています。そしてファロー四徴症というのは、「四」つの部分に異常があるということ、つまり肺動脈狭窄、心室中隔欠損症、大動脈騎乗、右心室肥大がみられる状態です。
先天性心疾患は、生まれてくる赤ちゃんの100人~125人に1人程度の割合で見られます。しかし、親が先天性心疾患であった場合、その割合は約2倍に、またきょうだいがすでに先天性心疾患で生まれている場合は、約3倍に起こりやすくなるといわれています。
新生児や乳児の時期に異常がみつかることが多いのですが、なかでには大人になってはじめて明らかになったという場合も少なくありません。
医学の進歩、特に小児の心臓病に対する早期診断や治療技術の発達により、最近は死にいたるケースは少なくなってきましたが、新しく生まれてくる赤ちゃんの100人~125人に1人という、決して少なくない割合で認められるのが、先天性心疾患です。これは、生まれながらに心臓の構造になんらかの異常(奇形)が認められる心臓病です。
どうして先天性心疾患をもつ赤ちゃんが生まれてくるのか、という原因については、残念ながら、わからない場合が多いです。しかし、親が先天性心疾患であった場合、その発生は約2倍に、また同じ両親からうまれたきょうだいがすでに先天性心疾患である場合は、約3倍に起こりやすくなるといわれていることから、なんらかの遺伝子の異常が関係していることが考えられます。また、風疹などのウィルス感染症、X線、ある種の抗生物質などの一部の薬が原因で、先天性心疾患をもつ子どもが生まれてきやすくなることは確かです。
先天性心疾患が胎児に見られるようになるのは、妊娠2ヶ月頃までです。それ以後は、どのような条件によっても発生することはないといわれます。ということは、こと先天性心疾患に限っていえば、妊娠2ヶ月までを無事にすごすことが極めて重要だということです。風疹などのウィルス感染にかからないように注意し、薬物治療を受ける場合は、妊娠している旨を医師に伝えることが大切です。また、X線検査を受ける際にも、その旨を伝えるべきです。
生まれながらに心臓の構造になんらかの異常がある心臓病、つまり心臓の奇形を「先天性心疾患」といいます。以前は、奇形や異常の重症度によっては、乳児期に死亡するケースが多かったのですが、最近は、小児心臓病に対する診断や治療技術など、医学の進歩で死亡するケースは少なくなりました。
先天性心疾患は、出生後すぐに明らかになり、ただちに新生児集中治療室(NICU)に運ばれて治療を開始する必要があるものもありますが、なかには成長にしたがって徐々に進行していくもの、あるいは大人になるまで明らかにならなかったというものまでさまざまです。
先天性心疾患の経過と予後は、それぞれの状態によってさまざまです。放置すると予後の悪い先天性心疾患の場合は、通常3~5歳で手術を行います。
先天性心疾患のなかでももっとも発症頻度の高い心臓病である心室中隔欠損症(いんしつちゅうかくけっそんしょう)の場合、通常、生後数日までは症状がないのですが、それ以降、心雑音で発見されることが多いです。心室中隔欠損症は、心室中隔に穴がある心臓病ですが、たとえ新生児にそう診断されたとしても、その20~30パーセントは、5歳ころまでに自然に穴が閉じます。欠損孔の大きなものについては通常、2歳ころまでに手術を行います。ただし、軽症の場合は、小さな穴が開いたままになっていても、感染性の心内膜炎を起こさないよう生活のなかで注意していれば、予後は特に問題ないとされます。