心肥大とは、心臓の筋肉(心筋)の量が増えた状態をいいます。心肥大がまだ初期の段階では、心筋の収縮力は維持されますが、肥大が進むと心不全や不整脈などの心臓病を起こすことがあります。
心肥大には、心筋細胞が心臓の内腔に向けてどんどん厚くなっていくタイプ(求心性肥大)と、外へ向かって広がっていくタイプ(遠心性肥大)があります。心肥大は、原因となる病気があって、それが心室に負荷をかけたために結果的に起こる状態です。独立した心臓病というわけではありません。
たとえば、求心性肥大は、心臓の壁が厚くなって、心臓の内腔が狭くなった状態ですが、これは高血圧や大動脈弁狭窄症などがあって、心臓から血液を押し出すのに大きな力が必要となった場合に生じやすくなります。
一方、遠心性肥大は、むしろ心臓の内腔が拡張した状態です。逆流のある弁膜症や先天性心疾患でみられます。心臓からの拍出量を確保するために、内腔を拡張するように心臓が肥大して起こると考えられます。
*一部に原因となる疾患がないのに、心肥大が起こることもあります(突発性肥大型心筋症)。
心肥大の診断
心肥大の診断法は主に次の3種類です。
1.レントゲン・・・心臓の大きさを影絵としてみる方法です。したがって心臓の壁の厚さまではわかりません。
2.超音波・・・心臓の壁の厚さや内腔の容量をみます。
3.心電図・・・心肥大の特徴的な変化の型(右室肥大、左室肥大)や、その程度をそれなりに把握することができます。
心筋炎(しんきんえん)というのは、心臓を動かす筋肉である「心筋(しんきん)」が、炎症を起こす疾患です。
心筋炎の多くは原因不明です。ただし、リウマチ熱や免疫系の病気である全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、強皮症(きょうひしょう)、サルコイドーシスなどから、心筋炎になることもあります。
頻繁に起こる心臓病ではなく、予後も良好ですが、完全になおることは少ないようです。
心筋炎の場合、ウィルスや細菌が心筋に感染し、心筋の細胞が犯されます。そのため心臓の収縮力が弱まり、心臓が肥大したり、心臓機能が低下したりといった症状が出ます。
最初は、発熱やのどの痛み、頭痛、倦怠感など、風邪によく似た症状が出ます。吐き気や嘔吐、下痢、腹痛からはじまるケースもあります。その後、数日~一週間ほどして、動悸や胸痛、呼吸困難、脈の乱れ、むくみが現れます。ただし、これらの症状はあまり長くは続かないため、心筋炎が起こっていることに気づかないままのこともあります。ただし、身体が疲労している場合に心筋炎を発症すると、急速に悪化し、ショック状態になるなど、危険な状態に至ることもあるので注意が必要です。
ショック状態に陥った場合は命の危険がありますので、救急車を呼ぶ必要があります。治療をおこなわずにいると心臓の機能が低下するので、医師の治療を受けることが大切です。安静にして、栄養の補給や輸液などの処置がおこなわれます。心臓の機能が低下している場合には、ジギタイス製剤を用いたり、利尿剤の服用、食塩の制限がおこなわれます。